飯豊町小屋地区の最奥部に位置する栂峰(つがみね)は標高1,541m、東北百名山とやまがた百名山の一座に数えられます。
登山口から山頂に至る3時間半ほどのあいだ、標高をあげるにつれ登山道沿いにたくさんの祠(ほこら)が見えてくる、信仰の山でもあります。毎年白露(はくろ・9月7日頃)の日には、小屋地区の方々によって例大祭が行われています。詳しい記録が無いために、いつ頃から行われていたのかは分かりませんが、古くは家々にあった行屋(ぎょうや・神仏への参拝前に穢(けが)れを落とすため、ここに籠って酒や肉を断ちました)に籠り、さらに前日には登山口付近で禊(みそぎ)を行ってから仮小屋に籠り、そして山頂への登拝を行っていたといいます。
登山口(参道)は、小屋川に掛かる小さな橋を渡った先にある天照大神をまつる祠から始まります。この手前の小屋集落内にある祠や栂峰神社も合わせると、全部で33の神々が鎮座しているそうで、山頂には「栂峯山大神」の2つの石祠と木札があります。
信仰の山である栂峰は、美しい木々や植物にも恵まれています。登り始めはしばらく杉林が続くものの、標高950mくらいから美しいブナ林が現れ、途中クロベなどの針葉樹も見られます。傾斜が穏やかになる蔵王神社付近からは、つやつやしたミツバオウレンの葉が生い茂って気持ちの良い小道が続き、やがてオオシラビソ(アオモリトドマツ)の木々も見えてきます。山頂からの展望はありませんが、ここから延びる小道の先から米沢平野が一望でき、また福島県との県境であることから、吾妻連峰や磐梯山なども近くに見ることができます。
〇登山口までのアクセス
県道4号線から栂峰登山口まで約9km(206KB)
〇登山口に近いお食事・温泉施設
白川温泉 白川荘 TEL 0238-77-2124
〇登山口から山頂までの案内
コース案内(外部ページ/やまがた山)へ
山頂付近の登山道
山頂付近より吾妻連峰方面を望む
登山道沿いのオオシラビソ
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