新年あけましておめでとうございます。皆さまにはお健やかに新春を
迎えられたことと存じます。
明治11年、イザベラ・バードが「微笑する大地」と称賛した田園散居
村に、初春の光がさしこむとき、誰もが特別の期待と感慨を感じるに違
いありません。私たちは、日々の健康と普通の暮らしがいかに大切なも
のであるかあらためて知りました。取り組んだ数々の対策やそれぞれの
努力で、ようやく迷路の出口が見えてきたようです。これまでと同様に冷
静な判断と的確な対策、連携によって新型コロナウイルス感染の状況か
らの復興を図りましょう。
不都合なウイルスの影響は予想以上に負の影響をもたらし、現代社会
の弱点を浮き彫りにしました。多極分散型社会の必要性が今更ながら問
われています。過密を避けるという歴史的転換が求められており、ゆたか
な森と大地、農業生産と再生エネルギー、住環境や水、道路交通システ
ムなど生活資源を継続的に供給可能な農村モデルが再評価されています。
「限界集落」「消滅可能性都市」などと指摘された地域にこそ「持続可能性
が期待される」という逆説に私たちは奮い立つのです。そこから「農村計画
研究所」の再興などによってその道標を明らかにし実践してまいりたいと思
います。
「やっぱり、飯豊で幸せになる」を基本理念にした「第5次総合計画」と「ま
ち・ひと・しごと総合戦略」でまいた五つの種、十の重点プロジェクトの基本
計画や九つの地区別計画を着実に実行し、住民所得の向上と生活の安定、
次代を担う子どもたちの世代への支援策を最重要課題として取り組みます。
電池バレー構想の中、xEV研究センター、専門職大学、貸工場の始動は間
もなくです。構想の本格的事業化で舞台は大きく展開します。
1974年に策定された第一次総合計画「手づくりのまちいいで」のなかに、
当時、東京工業大学教授青木志郎先生が記された一文があります。「地域
コミュニティの形成にはお互いに顔を合わせ、語り合える人間関係が必要
であり、ヒューマンスケールをもつべき(略)」と。どのような時代にあっても、
市井の人々が主役であり、人間として、人はどう生きるべきか、お互いの心
を慈しむ関係性と感受性を大切にするまち、このことを原点に帰って見つめ
直す一年としたいものです。
令和 4年 1月 1日
飯豊町長 後 藤 幸 平
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